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ゼニスは、その長い歴史のなかで航空業界と深い関わりを持ってきました。

長年にわたりクラシカルなデザインと高い精度で愛され続けてきましたが、2023年に大幅なリニューアルが行われました。この刷新は、ブランドの伝統に根ざしながらも、現代的な感性を取り入れた革新的なモデルを生み出し、新しいユーザー層にも訴求するものとなっています。

この新しいパイロットコレクションについて、ゼニスのプロダクト開発ディレクターであるロマン・マリエッタ(Romain Marietta)氏にインタビューを行い、コレクションの背景、デザインの方向性、日本市場向けの戦略、そして今後の展望について話を伺いました。

過去からの脱却と未来への挑戦

ゼニススーパーコピー時計代引きマリエッタ氏は、「過去10年にわたり、ゼニスのパイロットウォッチはヴィンテージ調のデザインで高い人気を得ていました。しかし、ブランドの成長をさらに促進するためには、現代的で洗練されたスタイルへの変革が必要だと考えました」と語ります。この変革の背景には、現代の多様化する顧客層に対応したいという強い意志があり、他のコレクションとのデザイン上の一貫性を確保する狙いもありました。

新しいパイロットコレクションのデザインは、ゼニスの主要コレクションであるクロノマスターやデファイとの統一感を追求し、ブランド全体のアイデンティティを強化しています。「伝統を尊重しつつも、時代に即したデザインを採用することで、ゼニスの進化を象徴する新たなコレクションが誕生しました」とマリエッタ氏は語ります。

コラボレーションプラットフォームとしてのパイロットコレクション

パイロットコレクションのリニューアル後、最初のコラボレーションモデルとして誕生したのが、日本を代表するバッグブランドであるポーターとのタッグによる2モデルです。シンプルな3針とスポーティなクロノグラフがラインナップされており、どちらもカーキグリーンセラミック製ケースと波型のカーキグリーン文字盤が採用されています。

このプロジェクトについてマリエッタ氏は「日本国内で非常に高い人気を誇るポーターと共同で新しいモデルを作り上げることができたのは、とても意義のあることでした。ポーターの持つ職人精神とゼニスのクラフトマンシップは共鳴し合い、双方の美学を融合させたユニークなモデルを作り上げることができました」と語ります。

コラボレーションモデルは、ロゴの配置やサイズ、素材選定に至るまで細部にまでこだわり抜かれ、時計とバッグ、両分野のプロフェッショナルたちの緻密な共同作業の賜物です。コラボレーションモデルは、ロゴの位置やサイズ、素材の選定に至るまで、両社の職人たちの手によって細部まで緻密にデザインされています。特に、ゼニスとポーターの職人同士が一丸となり、異なる分野の美学を融合させるプロジェクトとして、時計業界とファッション業界の双方に大きな注目を集めています。さらに、日本国内外でポーターの人気が高まり続けていることも、このコラボレーションの成功の要因となっています。

パイロットコレクションの刷新は、ゼニスにとって大きなチャレンジであり、ブランドの未来を示す重要な一歩です。マリエッタ氏は「ブランドのアイデンティティに基づきながらも、時代に合った新しい挑戦を続けることで、ゼニスのさらなる成長を目指しています」と力強く述べました。ポーターとのコラボレーションを皮切りに、さらに広がる可能性を秘めたパイロットコレクションが、今後どのように進化し、世界中の時計ファンに受け入れられるのか、期待が高まります。

クラシックと革新のバランス、次の一手

ゼニスの現在のカタログを見てみるとクロノマスターであってもデファイコレクションであっても、現代的なデザインのモデルだけでなくクラシックなデザインが取り入れられたリバイバルモデルも展開されています。新しいパイロットコレクションは、ヴィンテージスタイルから脱却し、モダンで洗練されたデザインへと移行しましたが、一部の市場、特に中国などでは旧デザインへの根強い人気が見られ、ヴィンテージスタイルの復活を望む声が多いことも明らかになっています。ロマン氏は「パイロットモデルは現行のモダンなデザインが定着した後、ヴィンテージスタイルを基調としたリバイバルモデルを展開する予定です」と述べています。また、彼は「リバイバルモデルは単なる過去の再現ではなく、コレクションのストーリーテリングを補完するための重要な要素であり、ゼニスのDNAに深く根ざした取り組みです」と、その意義を強調しました。

今回のインタビューでは、ブランドの未来を切り拓く新たなプロジェクトの一端を垣間見ることができました。詳細はまだ公開できませんが、ゼニスがその歴史と伝統をさらに高める重要な取り組みが進行中であることは確かです。ロマン氏はインタビューの最後に「ゼニスのDNAに根ざした新しい挑戦が、ブランドを次のステージへと導くでしょう」と締めくくりました。

2025年、ロレックス新作予想

新作ロレックスだ。少し気が早いかも知れないが、どんな新作が発表されるのかと、思わず想像を繰り広げてしまうところはこのブランドの楽しみのひとつだろう。

正直に言うと、2024年に発表されたロレックスの新作は期待外れだった。まったく想像もしていなかったディープシーのフルゴールドモデルには確かに驚かされたが、基本的には既存モデルのバリエーションであり、個人的に心が湧き立つようなワクワクする新作はなかったように思う。だからこそ、2025年にはかなり期待をしている。そんなこともあって、もはや妄想に近いかもしれないが、2025年に登場しそうな新作ロレックスがどんなものかを予想してみた。“自分はこんな新作を予想している!”と、一家言をお持ちの方がいれば、ぜひコメント欄か、Instagramなどで予想を聞かせて欲しい。

ついに登場? “コークベゼル”のGMTマスターⅡ

2024年の新作として、ロレックススーパーコピー時計代引き 優良店GMTマスターⅡにはグレー&ブラックのセラミックベゼルを持つRef.126710GRNRがラインナップされた。これまでにない組み合わせのツートンベゼルではあったが、多くの時計好きは別のツートンを期待していたに違いない。レッド&ブラックのセラミックベゼルを持つ“コークベゼル”のGMTマスターⅡだ。

レッド&ブラックの組み合わせが技術的に不可能ということはないだろう。2色のセラクロムベゼルインサートの組み合わせとしては、ブラウン&ブラック、ブルー&ブラック、グリーン&ブラック、そしてレッド&ブルーの“ペプシベゼル”もすでに登場している。レッド&ブラックの組み合わせだけが難しいということは考えにくく、あえて投入していないと考えるのが自然である。問題はいつ投入されるかだ。これまでのロレックスの新作発表パターンから想像すると、2年連続で新バリエーションが投入されるというのは少し考えにくいが、実は2025年は1955年にGMTマスターが誕生してから70周年となるアニバーサリーイヤー。このモデルの話題づくりとして投入するというのもあり得るのではないだろうか?

確度は高め? デイトジャスト アニバーサリーエディション

70周年を迎えるGMTマスターも見逃せないが、2025年にロレックスはさらに重要なふたつのアニバーサリーイヤーを迎える。ひとつはロレックス創業120周年のアニバーサリーだ。1905年に創業者のハンス・ウイルスドルフは、時計専門商社のウイルスドルフ&デイビス社をロンドンに創立した。この会社こそロレックスの原点である。ロレックスの名が歴史に登場するのは1908年であるため、この年をもってロレックスの始まりと見なすこともできるが、公式サイトで紹介するロレックスの歴史が1905年からスタートしていることから考えても、やはり1905年がロレックスの始まりなのだろう。

さらに重要なのは、2025年にデイトジャストが誕生80周年を迎えるということである。デイトジャストはロレックスにとってきわめて重要なコレクションで、ダイヤルに小窓で日付を表示する初の自動巻き腕時計として1945年に誕生した。このデイトジャストがロレックスの40周年記念として発表されたことを忘れてはならない。滑らか5列リンクのブレスレットをロレックスではジュビリー(Jubilee)ブレスレットと呼ぶが、そもそもこのブレスレットは40周年のアニバーサリーとして発表したデイトジャストのために特別にデザインされたものだった。そんなデイトジャストにおける記念すべき年に何も発表がない、なんてことがはたしてあるだろうか?

実現なるか? ミルガウスの電撃復活

多くの人が忘れているかもしれないが、ロレックスの耐磁時計であるミルガウスは2023年に人知れず生産終了となり、現在ラインナップから姿を消している。主要人気モデルがムーブメントをアップデートするなか、ミルガウスにおいては新型へと移行されなかったことが主な生産終了の原因だと思われるが、優れた耐磁性能や個性的なデザインを持ち、ニッチではあるもののコアなファンを擁するコレクションだった。

ミルガウスは過去にも生産終了から復活を遂げており(1988年に生産終了となり2007年に復活)、いつ再び復活を遂げても決して不思議ではない。ロレックスの公式な情報に従えば、ミルガウスは1956年に登場した(少なくとも2020年の公式資料ではそのように書かれている)。そこから考えると、もし復活するとしても誕生70周年となる2026年に発表というのが自然ではあるが、実は気になる動きも過去に見られた。それが生産終了となったその年のオークションにおけるミルガウス Ref.6541における記録的な落札結果だ。2023年5月に開催されたフィリップスのジュネーブオークションで、ミルガウス史上最高額となる250万ドル(日本円で約3億4305万円)で落札されたのだ。このとき出品された個体はきわめて状態がよかったため、それが要因とも言えるが、実は購入したのはロレックス自身だったのではないかとも言われている(気になる方はこちらとこちらの記事も読んでみて欲しい)。多くのモデルでテコ入れが進みモデルチェンジを果たしている今、ミルガウスで話題の喚起を図ってもおかしくはないだろう。

正史の公表は新作サブマリーナーへの布石?

可能性は薄そうだが、サブマリーナーにおいて新作が投入される、なんてこともあるかもしれない。2024年9月、ロレックスは唐突にサブマリーナーに関する書籍を発表している。本著はニコラス・フォークス(Nicholas Foulkes)氏による『Oyster Perpetual Submariner – The Watch That Unlocked The Deep(オイスター パーペチュアル サブマリーナー – 深海を切り開いた時計)』という252ページにわたる分厚い書籍で、サブマリーナー初の公式な歴史書であり、1953年に発表されたサブマリーナーの全歴史を記録した広範な記録だ。著者であるニコラス・フォークス氏がロレックスがアーカイブへのアクセスを許可してくれたことを公表していることから、本著はロレックスが正式に認可した公式な情報である。なぜこのタイミングだったのか。もちろんたまたまかもしれないが、巧妙なマーケティングとブランディング戦略を得意とするロレックスが、何の意図もなしにこうした書籍の製作に協力するだろうか。